お日様は暖かくて、気持ちよくて。
それはいい。
いいんだが・・・。
なんで俺は今、昌浩と二人で日向ぼっこなどしているんだろう・・・?
当り前のような疑問を抱いた。
「なあ昌浩」
隣で伸びている昌浩に、仰向けに倒れこんだ体勢で声をかける。
「何?」
「華がないよな」
ぼそりといった俺の言葉に、昌浩はよっと起き上がって不思議そうに。心底不思議そうに俺を見た。
そのまま庭を指差して、言う。
「花? 花なら庭にいくらだって・・・」
「いや、そっちの花じゃなくてだな」
ゆるゆると起き上がりながらずれ落ちた烏帽子を拾い上げた。
「俺が言いたいのは、何が悲しくて男二人で日向ぼっこなんかしてなきゃならないかってこと」
「あー、そういう事」
理解した昌浩が苦笑混じりに頷いた。
「じゃあ誰か来てもらう? 勾陣とか、太陰とか、天一とか・・・」
「おい・・・・・・」
あげられた人物の顔を、俺は半ば呆れながら思い浮かべた。
確かに皆顔立ちは綺麗とか、可愛いとかそんな部類に属する方々かもしれない。
・・・だがな。
「お前人間の知り合いいないわけ?」
何が嬉しくて、十二神将たちとひなたぼっこしなきゃならないんだよ。
人間の知り合いが(女の子)いないらしい昌浩にちょっと同情したくなった俺だった。
深々と溜息を吐いて、俺は再びごろりと寝転がる。
習うように昌浩も仰向けに寝転んだ。
天気はいいし、雨も降りそうにないし。
まあ、いいかと眠りについた俺たちは。だがしかし、数時間後。
裏切られた天気により、突如降り出した雨で全身ぬれねずみとなったのだった。