そういえば、私たちは幼稚舎の頃からずっと一緒のクラスだ。
小学校までは何の疑問も抱かなかったけれど、中等部に進級してさすがに可笑しいだろうと思い始め。それでも一度だけクラスが離れたことがあるけど、十一年のうちのたった一年だけだ。さらに高等部に上がってみればまたもや三年間同じクラス。
あまりに出来すぎな偶然に、首を傾げたことは何度も会った。
「…まさかと思うけど、裏でなんかやらかしてないよね」
キラのうちはごく普通の家庭。うちは、割と裕福だけどそれだけのやっぱり普通の家庭。
アリスのうちはお金持ち。アスランのうちは、いわゆる貴族階級と言ってしまえそうなほどの家だ。ちなみにアスランのお父さんはこの学園の理事長でもあって、政治家でもある。親同士の付き合いがあるとはいえ、アスランのお父さんはなんだか怖くてまともに話をしたことがない。
「そんなわけないよー」
いいながらのほほんと笑うアリスの横で、アスランが気まずげに私から目をそらした。
キラは隣でなんだかニコニコ笑っている。
「まさか」
「マアサ」
「知らないほうが幸せなことって、あると思わない?」
アスランが私の名を呼び、キラがその後に続け、それだけでもう全部わかってしまう自分がなんだか悲しかった。
キラの我儘に振り回されるアスラン。
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