再会した君は僕を見て、ただ悲しそうに笑った。変わったね、とそう一言言って。何かを堪えるような瞳をしながら。そうして微笑む君も以前とは少し、何かが変わっていた。それが何なのか僕にはわからなかったけれど。
 君は僕の左手に視線を落として、僕がずっと好きだった海原と同じ青緑色の瞳をまんまるにして唇を振るわせた。
 どうして。音を伴わないその唇は確かにそう動いた。どうして。何が…。
 ああ、そうか。僕がこれを宿していたことを君は知らないから。そっと左手に触れる。
 宿したのは本意ではなく、成り行きでこれを宿してしまっただけだったけれど、今思えばそれは僕の運命だったのだ。
 辛い思いをした。悲しい思いもした。だけど不思議と、悲観する気は起きないんだ。
 左手のグローブをとって、それを見せると君は、嗚咽も漏らさずただ静かに泣いた。



01:ずっと、君のこと 幻想水滸伝W・W主
title by 追憶の苑